
Summaron 35mm/f3.5。

小型の35mm、SUMMARON 35 / 3.5を手に入れたので、深度の深いスナップ的な撮り方を試したくなった。
モダンな印象のあるブラックペイントのLEICAM-Pだが、一気にクラシカルな雰囲気を纏う。
この本を参考に、できるだけボカさない「絵画的な」イメージを目標に。
LEICA M-P 240搭載の、「Black and White Film Mode」をアクティブに。
これで、jpg撮って出しはオールドライクなモノクロに、RAWはあとから好きなように処理できる。
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風邪などひかぬよーに!
M型としては大き過ぎるとも言われるM Typ240だが、フルサイズデジタルというカテゴリの中で考えれば極小の軽量。
フルサイズミラーレスとして考えると、α7あたりがカウンターパートになってくるが。
流石にフィルムライカよりはズシッと来るのだが、帰ったあとの現像で
「うわ〜やっぱ凄えわ……」
なんて言って、苦労はさっぱり忘れられます。
撮影中のフィーリングや操作性的には全く変わりませんし、重いという印象はあまりないです。
SUMMILUX 50 2ndとSUMMARON 35という、軽量なレンズのおかげかもしれませんが。

他にもカメラマンが笑
風が強いものの、時折日が照らす。
ボケ感のテストがてらポートレート的な。開放だとだいぶフレアが入ったので、わずかに絞ったf4だが、しっかりと空気感が出てくれている。


たぶん海岸1/4らへん(しぶきが上がっているあたり)にピントを置いている。
SUmmaronの特徴として、f8あたりまで絞らないと周辺減光が強い。
風景とかやるとなると、人を選ぶかもしれない。

縦位置風にクロップ、35mmのf8。ほとんどパンフォーカスに近くなり、ライブビューではピント面が分かりづらい。
レンジファインダーで合わせるのがベター。

Summaronも、LEICAの名を冠するレンズとして素晴らしい描写を見せるが、それでもなおSummiluxの解像力は段違いだった。
M-P 240の背面ディスプレイでもわかる、諧調の再現力とピント面の切れ味。それでいて優しさのあるハイライトは、モノクロでも本当に美しい。

絞るとこの通り。
ちなみにカラーではこうなる。

しぶき。

海岸線と岩場が一体化したような地形の場所。

波が強い。

一応、青空が見えてはいるのです。笑

釣り人と雄島。

別アングルから。

下手をしたらこの世の果てみたいな景色にも見えるのだが、普通に人はいる。

釣り人だけど。




(ほぼ)冬の日本海。白波が立つ。

行く人、留まる人。
撮影時間は午後17時前で薄暗く、ISOを800に上げる。
雑感
Summaron、いい!
フィルム時代の古いレンズながら、描写力、諧調は流石のLEICA設計。フレアや周辺減光は強いですが、私は気にしません。どうせ補正できますし。
基本的にSummilux 50を使ってきたので、そこからもう一段階寄らなければいけないという感覚。今回のショットも、結構クロップしています。
……こちとらスニーカーで海岸うろついてるんです、釣り人の長靴とは違うんですよ、波も高いのであまり攻められません()
全体通して、M型の特徴というか、クローズアップには弱い。その分引いて「状況」を伝えるような、リアリティのある画が作りやすいです。
一眼ではついつい寄ってしまいがちなのですが、クローズアップはそれ単体では成立しません。
全体の状況が分からないですからね。
でも、引き画は状況が伝わるので、引き画だけでも成立するんです。
ライカで撮られた名作達にどこか「観察者」的な視点を感じるのは、M型ならではのスタイルなのかもしれないな、と感じました。
気になる点として、レンズ交換時にそこそこな力が要ります。Summilux50(2nd後期型)はまったくもってスムーズですので、個体や状態によって違うのだろうとは思いますが、私のSummaronは全力の60%くらいの力でひねらないと回りません。ピントリングのトルクも重めで、「グイグイッ」という感じで回ります。
Summiluxだと「スルスルッ」。
何にせよ、屋内と広め用+αでメインとしても十分使っていけそうだ、というのが結論!