2014年のLEICA M-P(Typ240) vs 2017年のα7RⅢ。
比較するまでもなく、一日2台持ってうろうろするだけで分かります。
が、せっかくですので。RAW撮って出し、同じような画角で印象を比べてみます。
- Lightroomを使い、WBのみ「5400K」で統一
- ともにレンズ補正「歪み補正・周辺光量調整」をオンに
以外はすべて同一の設定で、Photoshopにて同じ画角にトリミングしました。
このご時世、RAWで撮ってしまえば現像時に好き放題出来てしまいますが、
- 強烈に写実的で、ワンタッチなα7R3
- 解像してるのに印象派、職人肌な240
という印象を受けます。
また、画角の作り方やピントの取りやすさ等から来る違いで、残す写真そのもののスタイルも変わってくるなと感じます。
「描写力と機動力、楽しさのLEICA M-P(Typ240)」
グリップ、操作感やレリーズ音まで、あらゆる点で楽しく、写真を撮ること、世界を見ること自体が楽しくなります。
「写真って楽しいな!」と思わせてきたヤツ。
僕はビデオグラファー的な仕事も請け負っており、スチルを始めたのには『構図やライティングの勉強』といった側面もありました。
それゆえ、5D Mk.4やBlackmagic PocketCinema等のデジ一眼、SONY FSやEOS Cinemaといったシネマカメラ、挙げ句の果にはENG等いろんなカメラと触れる機会があります。
しかし、LEICA Mを持ってうろうろとスナップする楽しさは抜群。LEICA M6も使っていますが、それを超える快感があります。
波長が合っているのでしょうか(笑)、自分の手足の様に画を描ける。しかも、作りたかった描写の仕方で。
髪の毛一本、シミの一つまで数えられるような解像力は要らない。でも、フィルムほどの「色塗り感」も要らない。
この、僕の理想とする描写に最も近かったのはLEICA M6とSUMMICRONを使ったフィルム写真でしたが、普段から持ち歩けるスナップカメラとしては今や弱く、ISOやWB、ランニングコスト等、専業のフォトグラファーでもないのにメイン機とするには不足でした。
そこを軽々と超え、Typ240は望みそのものを吐き出してきます。
M10を買っても、きっとここまで惚れてないと思います。随一のカメラです。
さて、客観的に……。
小型軽量ながらフルサイズの解像力。LEICAはマニュアルで難しいと言われますが、Typ240は絞り優先もありますし、露出計に慣れればマニュアルはむしろ簡単になります。
絞りリングかSSダイヤルを、露出計が指す方向へ回すだけです。
その上、描写力も最高ですから素晴らしい。欠点は、高価なことです(笑)
とはいえ、楽器の事を考えればわかるように、「技術と熱意を持って、無駄な物を排し、妥協なく作ったものは高い」ということで結局妥当なんだろうと思います。
あ、ISOは6400が最高値です。賛否が分かれる……でしょうか。
Menuの言語を日本語にするとダサい「半角カナ」です。レンジファインダースナップ機として使う限りはMenuなんてカードフォーマットくらいしか使いませんから、英語表記かドイツ語にしておくのがオススメ。
私は高感度撮影もしませんし、中望遠以上はろくに使えませんし、「僕が望む写真をつくる機械」として、本当に文句のつけようがありません。
初期投資はバカ高いですが(笑)、それに見合う価値を提供してくれます。
人生そのもののパートナーというか、死ぬ日まで使い続けたい逸品です。

「解像感とAF、あらゆるシチュエーションで99点なα7RⅢ」
Typ240だって解像力はかなり高いですが、こちらは圧倒的です。ピクセル等倍にして鑑賞すると凄まじく、写真の楽しみ方が増えます。
特に、G-MASTERシリーズと使う事で「ここは潰れてるでしょ……えっ……」という経験をたくさんできます。本当に異様です。
瞬間と言っていい瞳AFや低/高感度ISO、チルト液晶にフォーカス拡大アシスト等で、欲しい画が確実に撮れます。
安心感は最高で、仕事の相棒/パートナーとして最適。
その分、最初からチートを使ってクリアしたゲームのように「苦労を乗り越えた」感がなく、楽しさという点ではTyp240に劣ります。
要するに、仕事で使うときは確実にファーストチョイス。やろうと思えばマウントアダプターで「オールドライク」な雰囲気も出せますし、RⅣの6000万画素を使うまでもなく「最高の画質」です。
RⅣは画像サイズが一々でかすぎて、商業でもそうそう使えてません。僕は、RⅢでも大分持て余してます。

風景写真等で誰かの捨てたゴミや枯れ草等「汚いところ」が画角に入ると、それらも解像度よく写ります。(笑)
あらかじめ奇麗にしてから三脚を置きましょう。

どちらもそれぞれに輝く場面がありますし、片方を手放す気は更々ありません。
どちらが優れているという話ではなく、場面によって使い分けるのか良いのですが……
やっぱり楽しいLEICAを使ってしまいます(笑)
わかるでしょ?

趣味は、自分が満足できればそれでいいと思います!