
■Α7R3とUAD-2、Neveとコンデンサマイク。Windows、無料、キャプボ不使用。やりたいこと全部盛りで試してみたら、意外とうまく出来ました
時代の流れに鑑み、オンライン会議が増えてまいりました。
スマホでもいいんですが、技術屋さん(笑)としては映像と音声両方に拘ってなんぼ。相手をビビらせてなんぼです。
HDMI出力機能のあるカメラとキャプチャーボードがあれば、事実上どんなカメラもウェブカメラになるわけですが、「手持ちの機材と最低限の投資」だけでどれだけイケるのかを考える意味で組んだものが、意外とイイ感じにまとまりましたので、参考になればと思います。

最終的な環境
映像は、
- α7RⅢをWebカメラとして使用し、
- Imaging Edge Remoteのテザー画面をOBS STUDIOでキャプチャーし、
- OBS-VirtualCam経由でZoomへと流し込み。

音声は、改造BM800をRupert Neve Designesのヘッドを介してUniversal-Audio Apollo Twin USBのラインにインプット。

音声に関して……ノートPCをお使いの方は、大抵マイクが内蔵されているかと思いますので無問題。今回の場合、デスクトップPC+音楽制作用にオーディオセットアップを組んでいた為面倒なことになっているだけです。
必要なもの
映像セッティングに関して、mono-log様の記事を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
全行程の所要時間は10分ほどです。
- カメラ(キャプボを使わずにPCへと映像を送れる、α7RⅢを使用します)
- カメラをPCへ接続する物理的手段(α7で言えば、USB-Cケーブルなど)
- Imaging Edge Remote(SONY公式)
- OBS Studio
- OBS-VirtualCam
デスクトップPCをお使いの場合は、別途マイクが必要かもしれません。
始めます。
カメラをPCへ接続
α7の場合は、USB-CケーブルでPCと直接接続が可能です。
①α7RⅢのメニューの場合「セットアップ4」内にある「USB接続」を「PCリモート」に。設定後、USB-CケーブルでPCと接続。
「ネットワーク1」内の「スマートフォン操作設定」がオンになっていると、PCリモートの設定が行えませんので、そちらは切っておいてください。
②Imaging Edge Desktopをインストールし、アプリケーション内から「Remote」をインストール。

③α7を接続した状態で「Remote」を起動。接続した機種が認識されているか確認したのち、「Remote」のメイン画面が開きます。

これで、カメラとPCとの接続は完了です。
今回は無駄なこだわりでZEISSレンズを使っていますが、G-MASTER等AF対応レンズを使えば瞳AFも動作します。
キャプチャーをセットアップ
ここからは、α7RⅢと接続しているRemoteの画面をWebカメラの映像として扱う設定に入ります。
① OBS Studioと、OBS-VirtualCamをそれぞれダウンロード、インストール。
2つともが正しく導入されれば、OBS Studioの「ツール」メニューに「VirtualCam」が追加されています。
②「音声ミキサー」タブの左「ソース」タブの「+」印をクリックし現れるメニューから「画面キャプチャ」を選択。

OBS Studioは、一度作ったキャプチャ環境を覚えておいてくれます。ここでは、わかりやすく「a7R3-Remote」と名前を付けました。そして、OKを選択。


「ソース」タブに「a7R3-Remote」が追加されました。
次に、
③「ツール」から「VirtualCam」タブを選びます。

特に何もいじらずに「Start」でOKです。
これにて、映像セッティングも完了!Zoomへ行きましょう。
Zoomへ
PCブラウザにて、Zoomへサインイン、ミーティングを作ります。もちろんビデオはオンで。

ミーティングルームをセッティングした後、Zoomソフトウェアをダウンロードするると、ミーティングが起動します。
OBS StudioとVirtualCamがセットアップできていれば、この時点でカメラからの映像がZoom画面へと流れているはずです。
以降は音声のデバイスのセッティング、「コンピュータでオーディオに参加」を選択。


実際の通話では、オーディオに参加することを忘れずに。
画面が左右逆?
Zoomに送った際、私の環境では「キャプチャしているRemoteの映像」と「Zoomに映る映像」が左右逆になってました。
その場合、VirtualCamの設定画面内に「水平反転」オプションがあるので、こちらにチェックをしましょう。

以降は、一部の皆様にしか需要ないと思いますが……備忘録的に。
音声系統(UA ApolloとZoom)

Apollo Twin USBはMICとLINEのアナログ入力を2系統ずつ持ちますが、Zoomに渡せるのはLINE - 1のみ。
つまり、1ChのTRSジャックにマイクを繋げばZoomに送れます。この為、Appoloに入れる前の段階でラインレベルにしておく必要があります。
そんなわけで、無駄にSHELFORDのヘッドアンプを使う運びとなりました。
マイクは最初SM57やSM58を試したのですが、我が家にはブームしかなく、指向性とノイズフロアの問題でゲインを稼げませんでした。ずっと手で持っているのも面倒。。で、結局コンデンサです。(笑)
流石に、CV-12は使いませんでした。
「マイク→マイクプリ→Apollo TwinのLINE入力1番」へと流す事で、特にソフトウェアを介さずともZoomに認識され、マイクとして機能します。
Unisonスロットに入れたUAD-2プラグインは掛け録りされますから、私はAPI VISIONを入れ、ゲートで無音を切っています。

初対面のクライアントとの通話!といった場面で「スマホ通話」では、やはり格好がつかないのも事実。
キャプチャーボードという選択肢もありますが、【無料で構築できるオンライン通話環境】としては最高クラスではないか?とは思います!