
夜間+ノーライティングでの実用性を確かめるため、夜の福井へ。10月の夜に漂う空気を感じていただけたら幸いです。
また、今回は「BGM無し」。非音楽的な「ノイズ」(同録)だけで、どこまで世界観を作れるかな~と考えながら作りました。
Shot on Blackmagic Design PocketCinema Camera 4K
Editing / Sound Design / Producer : IKUYA MATSUDA
Grading: IKUYA MATSUDA
Production: TrashmasterStudios
目次
デュアルネイティブISO
PCC4KにはデュアルネイティブISO感度という機能が搭載されています。
ISO感度というのは「レンズから届く光を、センサーで電気的に増幅する量」。カメラに搭載されたイメージセンサーによって決まっています。
これがデュアル(ふたつ)あると何がいいかというと……。
例えばカメラのISOを4000に設定する際、シングルISOのα7(非LOG設定)は
- センサーのベース感度100を、100→200→400→800→1600→3200→4000と多段増幅
します。塵も積もれば山となるという言葉通り、たくさん増幅すればするほど、小さなノイズも増幅されていきます。
これが、一般的なカメラのISO感度を上げるとノイズが増えていく理由です。

対して、PCC4Kは3200にもベース感度(基準点)がある為
- ベース感度3200→4000まで一段分だけ増幅する
だけで、同じISO4000相当という増幅度が得られるわけです。
つまりデュアルネイティブISOを搭載したカメラは、ノイズを最小限に抑えながら、高ISO感度で撮影できるわけ。
また、今回の映像では、Lumix G Vario 45-200望遠を多用しました。
夜景に使用するには暗めのレンズですが、PCC4KのデュアルネイティブISOでカバー。
13ストップ400ベースの低感度と比べると、3200ベースの高感度レンジは12ストップにまでダイナミックレンジが落ちるものの、派手なノイズが乗ったりすることもなく実用性十分。
35mm判に換算して95-400という超望遠ならではの圧縮感と、自然なボケ感が美しいです!

NOISEについて
PCC4K内蔵マイクからのノイズだけで作っています。
セッティング的には、LRのオーディオをそれぞれ「カメラ左、カメラ右」に設定しただけ。
チャンネルゲインはデフォルト、50%のままで収録しましたが……特に声が入るわけでもない文字通りの「ノイズ」なので、編集で30dB近く上げています(笑)
まとめ
フォーサーズサイズの小さなセンサーという事もあり、夜景にどれだけ対応できるのかと心配していましたが、想像以上に使えるなと感じました。
ノーライティングでもノイズが出まくるようなことはなく、自然に収録できます。
Blackmagic RAWそのままのデータでは一切ノイズ除去処理をされていないので、激重なDaVinciのノイズ除去を使って整える必要はありますが……
それは誰しもが通る道です。(笑)
かなりの暗所でも十分使える。https://t.co/20lIeuvrSI pic.twitter.com/rUv00bn8bE
— マツダイクヤ@音楽と映像制作 (@mafuyu0318) October 14, 2020
そして、今回の撮影でもカメラとしての使い勝手の良さが光っていました。
Vマウントリグを組んだことで、バッテリー切れの心配をすることなくジンバル運用できますし、ワンタッチでハイフレームレート収録へと切り変えられますし、その際にもマイクは生きているのでノイズも残せます。
三脚だって、重いザハやVintenを使わなくても、Slickあたりのカーボン三脚で十分。
超軽量なシステムで、その場の雰囲気を簡単に、シネマライクに切り取れる感覚は、ポケットシネマカメラという名前に恥じないものだと感じました。
使用機材
Blackmagic Design Pocket Cinema Camera 4K
セッティング
DCI 4K - Blackmagic RAW 8:1 24fps
メディア
Blackmagic RAW 12:1 24fpsであれば、1TBで600分ほど回ります。
USB Type-C → Type-Bの変換アダプタが付属しているので便利です。
屋外でもアイリスを開けられるように、可変NDで調整しています。
可変ND特有の色かぶりは、調整ごとにホワイトを取り直す、またはポスプロでバランスを調整すれば治ります。
レンズ
LEICA DG SUMMILUX 25mm ASPH
LEICA DG SUMMILUX 15mm ASPH
LUMIX G VARIO 45-200mm
今回は、ほとんどのカットをこのレンズで撮っています。
しかもコンパクト。強力なレンズ内手振れ補正も便利です。
予備バッテリー
ノーブランドのLP-E6バッテリーは残量表示をしない(!)ので、数百円だけ上乗せして「残量表示可能」なやつを買ったほうが良いです。
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