
実現したいことについては、以前書いた通り。
組み込むコンパクトは、以下にまで絞りました。
目次
KORG Nu-vibe
オリジナル設計者によるSHINEI(新栄) Uni-Vibeの再設計モデル。
フランジャーともフェイザーとも違う、低く脈打つような揺れがUni-vibeの特徴です。
オリジナルUni-vibeの持つ、パーツ由来の個体差を再現できるスライダーも珍しい機能。
Uni-vibeはプリアンプ部のサウンドがとても枯れていて、Fuzzの前に入れると無駄なロー/ハイがいい感じにカットされます。
これによってシングルコイルでも柔らかく太い音になるのですが、G-SYSTEM内のUni-vibeはあくまで揺れを再現しているだけ。
で、プリアンプ的に実機を入れることに。
オリジナルやHeaven's vibe等CDSを使うクローンも市販されてますが、今この段階ではトランジスタでいいかなと。
実際に弾いてみて価値を感じたなら、乗り換えることもあり得ますが、そこは現状不透明、まあその際には入れ替えればいいだけの話です。
プリアンプのみをアクティブにしつつG-SYSTEM内のUni-vibeを使うことも想定しているし、エッジのあるサウンドを意図する際にはプリアンプごとバイパスしてしまいます。
S3N Super Flutter V2
ショートルーパー/サンプラー。
音楽制作の世界では「スタッター」などと呼ばれる、音をサンプリングして連続再生、ぶつ切りにしたりするエフェクト。
速度を変えての再生も可能で、ダイブボムやその逆を電子的に作れます。
まさに飛び道具ですが、ありふれたフレーズやリフにも緊張感を出せて奥が深い。
通常時は問題ないが、エフェクト作動時は結構ホワイトノイズが乗るのが玉に瑕。
18V昇圧された内部バッファがかかっているため、これをNu-Vibeの前に入れると全体のサウンドが変わってしまうので後段に配置。
T.C. ELETRONIC G-SYSTEM
本システムの核であり、コンプ/モジュレーション/ピッチシフト/ディレイ/リバーブ/ループスイッチング/プリセット管理を全て担います。
プロユース用の設計で、サウンドクオリティとしてはスタジオ用アウトボードそのもの、ライブでもレコーディングでもそのまま使える出音を持ちますが、不満点を上げるなら「エフェクトの接続順を変えられないこと」
それが無くて困るかというと、、それぞれのエフェクトの効きが素晴らしく、分離も良いので意外に困らないんですけど……
ZOOMやbossの安価なマルチでもこれくらい出来るのにね。(笑)
なんだかんだと10年近く前の設計だが、2021年現在でもフラッグシップたるサウンド、設計思想として問題なく通用しています。
Loop:1 WrenAndCuff YourFace
オールドのゲルマニウムトランジスタ2基を使用したFuzz。
今まで使用してきたFuzzと比べてもハイゲイン。
シリコンのBC109や、同じゲルマでもAC128のカラッとしたサウンドとは異なり、図太く柔らかなサウンドが特徴。
FuzzFaceとしてのサウンド、「GAIN」「VOLUME」ノブはもちろん、ローカットコントロールによってハイゲインなオーバードライブペダルにもなる懐の深いヤツです。
後述のJan Rayオーバードライブベダルと違いがわからないようなドライブサウンドを出せるが、一般的なODペダルと違ってダイオードクリップしていないので、ギターのボリュームを落とせば完全なクリーンになる。
この場合でも増幅はかかったままなので、ホワイトノイズは大きめですが、適宜ループギターのボリュームを絞ったり、バイパスしたりして対処。
ローカットした状態でブースターとして使うと、双対的にハイが強調されオクターブファズのようなニュアンスも出せます。
Loop:2 Octavian

オクターブファズにはオペアンプを使用したモデルもあるが、本機はChicago Iron Octavianの回路を採用、初段はBC109トランジスタを使っている。
ブリント基盤をエッチングして自作したOctavianファズ。ポイントトゥポイントでも試作したのですが、オクターブが「ウピや〜ん(笑)」とうるさ過ぎで原音が崩壊してました。
それはオクターブFuzzの美味しい音じゃないので、基盤を採用。
結果、Fuzzとして単音を弾いた際の粘り、サウンドの太さとアッパーオクターブのバランスが気持ちよく。
G-SYSTEMのピッチシフト/オクターバーとは違う良さがあるので、欲しい雰囲気によって使い分けます。
Loop:3 VEMURAM Jan Ray《自作改造品》
詳細はレビュー記事にて。

メイン歪その1。Fenderらしい、カラッとしたクランチ/ドライブを得られる。
私はビンテージギターとアンプのユーザーでありレコーディングエンジニアでもあるので、ギターの出音については一言あると思っているが、最高に信頼しているオーバードライブベダル。
オリジナルJan Rayから、入力と電源系統をちょっといじくっています。
Insert:FRIEDMAN BE-OD Deluxe

BE100は、Universal-Audio/UAD-2によるプラグイン版しか使ったことがありませんが、
ダイナミックレンジの違い、アンプフルボリューム時と比べハイが一回りほど不足している以外、サウンド的にはほぼ同じ。
9Vでも動くが、18V駆動するとよりアンプに近くなる。
Bogner系改造マーシャルとも、JVMなどモダンMarshallとも違い、ハイミッドに特徴のある歪み方。
ピッキングアタックとその倍音がよく出るので、大変抜けがいい。ブリッジミュートも突き抜けるように出てくる。
JCやレクチのキャビであっても、まさにFRIEDMANのドライブサウンドが出せるすごいお人。
このサイズで独立2チャンネルを持っていて、上段がリード/下段がリズム。
リードはほぼ文句なしで、リズムをギターサウンド単体で聞いているとクランチにしてもパンチが弱い印象なのだが、バンドアンサンブルで合わせると気にならない。
それよりもドライブサウンドとしてとても気持ちがいいのでメイン歪その2として採用。
限定カラーリングのClockworks Editionを買ってしまったよ。(笑)
電源:Voodoo Lab Pedal Power 2 Plus
BE-OD Deluxeを18V駆動するために2つの独立型9Vアウトが必要だったり、Superflutter V2やNu-vibeはデジタルエフェクター故ノイズを出しやすかったり、そのくせFuzzが2機入っていたり……本ボードは結構な曲者です。
そんなわけで、電源もプロ仕様。完全独立系統のPedalPower2 Plus。
過去の失敗例として、1SPOTのスイッチング9Vを分配などしようものなら、Superflutterが「チュイ〜ン……」、Nu-vibeの波形ランプに合わせて「ストトトトト……」とノイズが乗って使い物になりませんでした。
流石はプロ御用達、やっぱこれですね。AC100V駆動のG-SYSTEM、無駄に光るもんで電源にノイズを送り込むNu-vibe、電源に敏感なFuzzを始めとしたシステムの心臓部として、安心感が違います。
一台導入しておけば、とりあえず10年くらいはどんなボードでも使い続けられる感がすごいです。