

「世界の見えざる一面や見過ごしがちな一瞬を逃さずとらえ、鮮鋭に写し出す」
from "LEICA M (TYP 240)" CATALOG
同じLEICAとしてM10に惹かれなかったわけではありませんが、Typ240の優しい描写こそ、欲していた描写の仕方そのものでした。

目次
ギャラリー




センサーと処理エンジンで違うんですね……
下は、α7R3にマウントアダプター経由で同じNoktonを付けた際の一枚。

α7には、「柔らかな印象」がありませんね……むしろ硬質。
なのに、M-Pに着けた途端に大化けしました。
Nokton50/1.1の特性として、ボケ方は少々やかましい感もありますが、大口径の味ともいえる柔らかさを楽しめます。
開放時の甘いふんわり感と強い立体感。F2あたりまで絞っていった時の、均一でシャープな写り。
レンズの特性をしっかり残しつつも、Typ240特有の色乗りの良い画に仕上げているなという印象です。
ちなみに、SUMMICRONも持っているのに何故Noktonかというと、手持ちのMマウントレンズで黒いのはNoktonだけだからです。見た目は大切です。(笑)
「人と、人のいる情景を撮りたい」
ライカからは、そんな思いを感じます。
α7やLUMIX等は、基本的に何でも撮れます。いえ、M-Pだって何でも撮れますが……何故か、人を撮りたくなる。

それも、ライティングもポーズもカチッと決めたポートレートではなく、ありのままを写すようなスナップ色の強い作品を。

「線と輪郭」から描く絵画とは違う、「自由に色をのせる」印象派的な絵作り。

よく解像するのに、厳しさや冷たさがない
下はA7R3とG-MASTER 24-70。超解像に驚きつつも、構図や被写体そのものよりもその精細感から来る気持ちよさの方に目が行ってしまうようになっていました。

それが今デジタルライカを使って、「世界を色彩で描く」という考え方を思い出した次第です。
なぜ「LEICA M(Typ240)」ではなく「LEICA M-P(Typ240)」を選んだかというと、完全に見た目です。(笑)
上部の筆記体LEICAロゴと、赤ロゴの無い真鍮ブラック。LEICA M6の赤ロゴはいいバランスだったのですが、LEICA M(Typ240)の赤ロゴはそれよりも大きくなり、前面のバランスが悪いなと思ってしまいました。


どうせウン十万も出すのだから、見た目にもこだわらせてくれ。
弱点は?
- 重量
- 起動時間や連写力、デジタル的な部分
重量
については、レンズによります。本体自体の重さは、合金ボディやら真鍮トップカバーとベースプレート……説明書に記載の重量はバッテリー込みで680g。
今回は大口径Noktonでの作例で、前重感はありました。
これがSUMMILUXやSUMMICRON等定番レンズであれば一気に軽量になり問題ありませんし、フルサイズ用レンズを付けたα7や5D Mk.4の方がよっぽど大きく、重いのでさほど気になってはいません。
常に持ち歩ける範囲内だと思います。他社のフラッグシップモデルでこうはいきません。
起動時間
取扱説明書にも、「使用可能になるまでの時間は2秒」とあります。
とはいえ、今のところ『撮りたいものを見つける→画角と露出をつくる』とやると丁度2秒ほどになり、その後息が合ったようにレリーズできます。
そして、息を吐く。
むしろ、カメラと自分が一体になったような感覚が楽しいです。(笑)
そもそも、普通のミラーレスの様にライブビューが出るまで画角を見られないわけでもないです、カメラ側の準備を待ちつつレンジファインダーで画角を作れますから、 気になることは今のところありません。
1秒以内でレベルもピンもとれるレベルにまで操作を極めると違うんでしょうかね……?
電子機器として
連写力というか、電子機器としての性能部分です。これはさすがに、2010年代前半の水準ですね。秒間は3枚、それを6秒続けるのが限界。
私個人としては「職業写真家でない限り、連写は甘え」だと思っているので、気にしていません。(>_<)
ロスレスDNG、2400万画素で5976×3992の情報量、現像やトリミングの自由度も良好で、最適感あります。
おわりに
M10とTyp240で大分悩みましたが、結局撮れる画を比べたときに『僕が撮りたい画が撮れる』のはMでした。
僕にとって、史上最高、世界最高の1台です。