

【追記】公式サイトにて、半年後のレビューを公開しました。そちらの作品も併せてご覧ください。
LEICA M-Pを手にして2ヶ月が経ちました。

「そう、こんな写真が撮りたかった」

jpgの撮って出しでも、RAW現像でも、独特の柔らかな質感が残ります。高コントラストながらもシャドウとハイライトが粘る。
線で描く日本画と違う、色を載せる絵画のような絵作りは、他のどんなカメラでも出ない。
このテーブルフォトはCONTAX / ZEISSのレンズをアダプターで使ったもので、レンズはLEICAじゃありません。
にもかかわらず、しっかりとM-Pらしさがあります。
この色が本当に美しくって……日本の一般家屋の寝室で適当な外光で撮ったとは思えない、不思議な優しさがあります。
LEICAを使えば、楽しい。

寄れない、手振れ補正も無い、AFも無い。露出補正もライブビューにしないと確認できない、連写も遅い。ISOも6400が最大。2020年のミラーレス基準で言うと、スペックはゴミです。それでもLEICA M型を使う理由は、
撮ることが楽しい。撮れる画が美しい。

これはもう、実際に手に持って一枚シャッターを切ってもらえばわかります。
今までのカメラは何だったんだ?
と思う程に、感覚が異なります。


演奏家にとっての楽器の様に、自分の体の一部になってくれます。
説明書や何百項目もあるメニューなんて無いし、そもそも要りません。
絞りとSS、ISOにフォーカスリング。

この小ささでもフルサイズ。クロップ耐性は相当に高いので、寄れずに困ったら広く撮っておけばいいんです。

操作性や機能性も考え抜かれており、不要なものは一つもありません。失敗したら、それは撮り手が下手だという事。笑
なんの言い訳もさせてくれませんが、自分が上手くなればそれに応じた写真を吐き出します。
写真という表現を追求したいなら、M型LEICAは一番の先生だと感じます。
「デジタルライカ」の意義

以前はM6も使いましたが、幼いころからデジタル写真や映像に親しんだ私たちの世代にフィルムの解像感はさすがに粗すぎます。その粗さを狙って使う場合はともかく、現像代の事もあり「遊び」の域は出ません。屋内やミックス光での撮影が難しいというのも難点ですね。
対して、デジタルであれば使える範囲は一気に広がります。
どんなにいいカメラを買っても、インテリアとして買ったわけではない以上は撮らなきゃ意味がないわけで、この点でデジタルライカは私にぴったりでした。
「ありのままに美しく見返したい」
という私の願いに最高の形で答えてくれるのが、ライカMシステムでした。

フルHDとはいえムービーも撮影でき、そこでもM-Pの優しい質感が残ります。
写真には写真の、映像には映像の良さがありますから、写真だけにこだわるつもりもなく、どちらも使って大切な時間を遺していこうと考えてます。