

カメラマンとして食っていく決意の顕れ(笑)として、LEICA M (Typ240)を購入したのが半年前です。
最近は映像ばかり撮っていたので、気分転換に写真を撮りたくなりました。
普段は、若輩ながらフリーの映像ディレクター兼カメラマンとして活動をしております。
撮影やカラーグレーディングも承っております。
ロケーション
嚮陽庭園~西山公園。
レッサーパンダで有名な、鯖江市西山動物園を抱える大きな公園です。
ギャラリー

駐車場から入るとすぐに池があります。これぞ日本!といった景色ですね。
……1/40で切ったのですが、ちょっとブレてます……

16時前に到着したものの、前述の麓庭園はもう陰ってしまっていました……
庭園の周りの木々も皆紅葉しており、風が吹いたりすれば舞い散る葉と光で素晴らしい景色を楽しめるのですが……。
その代わり。

光と自然が織りなす、数分間しか続かない場面に立ち会えました。

LEICAは、「観察する視点」で撮れる気がします。
主体はあくまで被写体にあって、撮り手はとても透明になれる。
「クライアントは、お前らしさなんて求めてない!」と、先輩のカメラマンによく叱られます(笑)
情熱大陸で聞いた、中野正貴さんの言葉
「撮ってる人がしゃしゃり出ない方がいいと思っていて」
という台詞の意味が、少しわかってきた気がします。

美しい光です……
ここしかない!という瞬間を、素晴らしい描写で確実に捉えられるのがM型の真骨頂。
AFロックや言うことを聞かないAEに頼らなくても、膨大なメニュー項目と戦わなくてもいい。
覚えることは、ISO、アイリス、SSとピントの取り方だけ。

本当に、それだけ覚えればいい気軽さ。
24MPのフルサイズセンサーのおかげで、かなり大胆なクロップにも対応できます。
Arnold Newmanの様に、現場では瞬間を確実に捉えることに集中し、現像時にクロップ画角を探し「吟味する」する、、という「リテイク」スタイルを是とできると、とても奥深くて楽しいです。
撮影時の画角のままで良ければもちろんそれがベストだと思いますが、私にはそれは無理です(笑)
とくにレンジファインダーでは、便利なズームレンズやセンサークロップはありませんから尚更難しくなります。
とはいえ、この「再撮」ワークフローを始めてから、やはり考えながら見返すからでしょうね、画作りが早く&上手くなったような気がします。
どこに空間を作るか、どこに視線を誘導するか。こんな本を買ったりして、勉強しています。



Canon 7D Mk1 × EFS 15-85 Canon 7D Mk1 × EFS 15-85
ここで、サブで持っていた7D(なんと初代!)の画です。
描写としては別に悪くありませんが、、「うんたらかんたらAF」といった機能やらAF動作の設定に追われ、消耗。
Canonの一眼って、仕事で使う分にはなんか格好良くて好きなんですけど、……ボタンとインジケータ多すぎません!?
古い7Dはまだマシですが、5D Mk4とか何ですか、あのメニュー項目量!
LEICA M-Pなら、電源入れて「▶●◀」っていう露出計が指す方にアイリスorシャッターダイヤルを回すだけで適正露出、ピントも二重像が重なればOK。
シンプルを突き詰める、代を重ねるごとにボタンが減っている、M型ライカの美学を見せつけられた思いです。

さて16時過ぎ、暗くなってきました。
LEICA M内蔵のFilm EmurationをBlack-Whiteモードに切り替えます。
ISOも1600まで引き上げます。LEICAのISOノイズは、フィルムライクな粒子感で好印象。

陽の沈んだ町で、ISO1600。
粒子は感じられますが、素晴らしい諧調と等倍でもギリ行ける精細さを維持しています。



肉眼でもうっすら見えるかという景色ですが、しっかり光を描いてくれます。

西山公園名物、クリスマスに向けたライトアップ。

冬の風物詩ですが、少しほっこり。
雑感
この描写、もーやめられません!
このサイズ感でフルサイズですし、工芸品のような佇まいも嬉しい。
世界でも屈指の「描写」(性能、ではないところが重要)を追求するLEICA。
レンズもボディも死ぬほど高いですが、M型でしか見られない世界というのは確かに在ります。
一応はプロカメラマンとして飯を食っている僕が、趣味で使うカメラの画質に求めるのは、次の三つ。
シャドウからハイライトまで、柔らかな質感と高い諧調表現

シャープで、なおかつ自然な柔らかさを持ったピント面(SIGMAやG-MASTERのような切れ味は要らない)

ピント面からなだらかなボケへの移行

xperia 1を使っていますから、瞳AF便利だなあと思ったりもしますし、iPhoneをはじめ最近のスマホは素晴らしいAEを持っていると思います。
でも、それに対する言葉はひとつ。
それじゃ、僕が欲しい写真は撮れません。