
販売価格を抑えるために普及品の「LP-E6バッテリー」を採用してはいるが、シネマカメラとして撮影に使うならVマウントバッテリーで電源供給するのが当然
mus1clab.com/pcc4k-custom「PCC4Kの欠点① バッテリーの持ちが絶望的」な理由
撮影可能時間を30分 → 6時間超にまで劇的に伸ばす、Vマウントバッテリー運用への改造を行います!安価でなおかつ使えるシステムを組んでみます。
Vマウントバッテリーとは?
プロ機器向けの大型リチウムバッテリーで、テレビカメラやシネマカメラ、撮影現場で焚く照明、モニターなどに使用されています。

バッテリーにアルファベットの「V」のような形状の引っ掛かりがあるのが特徴。

バッテリーとマウント部がガチリと噛み合うため、自然には脱落しません。
マウントと電極との距離がLP-E6等の民生用バッテリーと比べて離れていて、バッテリー自体が大型になる分、容量がとても多いのも利点です。
SONYをはじめいくつかの会社がこのマウントの互換バッテリーを作っていますが、放送局や映像制作会社では、上の写真にある「IDX社 198 Endura DUO」を使っているところが多いです。
国内、海外を問わず映画やドラマのメイキングを見ていてもよく登場する「業界スタンダード」なのですが……、一本6万円代と高価。
ですので、互換バッテリーの定番として有名な「ROWA」製のVマウントを選択。
バッテリー自体の電源供給とは別に、撮影小物(ATOMOSなどのモニターやビデオライトなど)に電源出力が可能なD-TAP端子を一系統、5.0VのUSB端子を一系統装備していて、莫大な容量を持つモバイルバッテリーとしても使えます(笑)
カメラの充電器がUSBケーブルでの充電に対応していれば、カメラに電源供給しつつ同時にバッテリーも充電するという荒業すら可能にします。
ROWA Vマウントバッテリー 「BP-GL95A」
大型で重たいという欠点以外は最強のバッテリーである「Vマウント」。
実際に購入したのは↓の「ROWA BP-GL95A デュオ」なのですが、執筆時点では品切れでした……

一本あれば実測6時間もち、2時間程度の収録であれば1/4も減りません。これでバッテリーの問題は解決です!
↓のモデルになると、薄型軽量になる分容量は落ち、3時間前後で上がってしまう点に注意。
それでもLP-E6と比べれば進化ですが、コスパ的には上記のモデルを勧めます。
充電器
本来、Vマウントバッテリーはこういった
同時に複数を充電できるタワー型の充電器で充電をしますが、上記の安価なモデルでも1万円は超えてきます。
ですので、D-TAP端子から充電ができるこちらの充電器を購入して使っています。
毎日のようにロケに出るような使い方でなければ、これで問題ないです。
Vマウントプレート
Vマウントバッテリーは大型すぎてカメラの内部には内蔵できないので、外付けのバッテリープレートで固定することになります。
その際には、15mmのロッド(棒)を軸にシステムを組み込んでいく「リグ」を組むと便利です。

安価でなおかつ使えるシステムを組むのが目的なので、1万円以下で買えるこちらのプレートを使用。

Blackmagic 5inchモニター等に使えるDC12Vの出力端子とケーブル、DC5VのUSB端子、DC7.2VLP-E6型のダミーバッテリーが同梱されていて、このダミーバッテリーをPCC4Kに突っ込んで使っています。

PCC4KにはDC端子があるので、本来はこういったケーブルでそこへ電源供給してやるのが正しいのですが……暫定的に(笑)
ジンバル使用時にはどうする?
Vマウントバッテリーは重量があるので、ジンバル使用時にはLP-E6バッテリーで対応するのが定石。しかし、RONIN-Sなどのモーターに余裕のあるジンバルを使用するなら、
バッテリーはバッグの中にでも入れておき、そこからカメラへ電源ケーブルを伸ばしてそのままジンバルに載せてしまうこともできますよ(笑)
ジンバル使用時にモニターを付ける際にはHDMIを垂らしますし、ケーブルのテンションを考えてバランスを取れば全く問題ないと思っています。