
BFD3と各種プラグインを使い、宅録でも生ドラム感のあるドラムトラックを作る方法を解説!
スネアバージョンも公開中!
BFD3のセッティング
使用するのは2つのキット。
DW Merdi Sparkle Kick 1
BFD3標準搭載のDW製キック。硬いアタック音とタイトなローが特徴です。
アンサンブル全体のキーを落とすためにをTuningを少し低く。また、Modelタブで40%ほどのミュートをかけています。

Gretsch 1980 Kick 16×2
拡張音源「THE Black Album Drums」収録。こちらもチューニングを大きく下げています。
Black Album DrumsのGretschキットは、ハットにややルーズなサンプルが多く細かなフレーズが苦手な以外はPOPS〜ラウドまで大変使いやすいキットですので、ぜひ使ってみてくださいね。
シンバルがいっぱい入っているのも、ラウドにはぴったりです笑笑

DAWインサートスロット
1.UAD-2 Studer A800

コンプを使うことなく音の大小を均し、100Hz以下のローミッドを太く均一にしたいので、テーププラグインをかけます。
これの有無で、ボトムの量感や柔らかさが変わります。バンドサウンドでは入れた方がベターです。
これで得られる太さと柔らかさはいいのですが、テープを通すと少しエッジ感が鈍るので、BFD3の段階でDWの「カチッ」としたキックを同時に鳴らしバランスをとっています。
2.UAD-2 API VISION Channel Strip

僅かにローをカット、225コンプで粒を揃え、550EQで音を整形します。
アタック感が出るように、サウンドメイクとして使うEQ。この段階では要らない帯域が出てこようが構わず、音だけを聞いて調整しましょう。
3.UAD-2 Empirical Lab Fat So Jr.

通すだけでローミッドに丸く奥行きが出る、モダンなロックサウンドに素晴らしいコンプです。
強いコンプ感のあるかかり方をする「Spank」モードで、3dBくらいリダクション。この辺のインサートでダイナミクスはある程度制御してしまいます。
ハイを丸める「Warmth」と「TRANNY」をアクティブにしています。
4.IK Multimedia T-RackS 5 EQ-81

Neve 1081のモデリング。
同じNeveでもクラスAの1073に比べローの主張は控えめ。代わりにミッドハイが太くなる感じがします。楽器数が多い楽曲では、全部1073でやるよりも1081を使った方がごちゃごちゃしません。
EQポイントも増えているので、単純に扱いやすいですね。今回は100Hzのローと3kをブーストしています。
5.Waves CLA Drums
通すだけでそれっぽくなるプラグインですが、プリセットそのままでは大抵かかりすぎになります。
適宜「INPUT SENS」を落とし、グリーンランプが点き続けるくらいにレベルを絞ってから調整を始めてください。
音作りもできるプラグインですが、今回はAPI VISIONとEQ81でほとんど音を作っています。
ですので、帯域補正としての「BASS」「TREBLE」と、センター低めに定位を固めるための「COMPRESS」「REVERB」として使用しています。

6.Waves Manny Marroquin Distortion
個人的に、最高の歪みプラグインだと思います。
「そうそう、洋楽でこういうの聞くわ!!!」っという歪み方が簡単に作れます。それもそのはず、Bon JoviやColdPlayをMixしているエンジニアが実際にこれを使っています。
ここまでの派手なプラグイン使用により打ち込みっぽくなっていたKickサウンドを、生ドラムっぽい音に戻してやります。
生ドラムにマイクを立てヘッドフォンで聴いた音と、ドラムセットの前に立って生で聴いた時の音は異なるのは想像してもらえると思います。
このプラグインの歪みは、人間の耳で聞いた時のような歪み方をしてくれます。いっぺん使えばわかります笑

7.Avid Channel Strip EQ
ProTools標準搭載のチャンネルストリップ。デジタルEQとして大変使いやすいので、よく使います。
今回は、やや耳についたハイの張りを抑えるため使用。

8.Brainworx Bx_SSL4000E
SL4000のモデリング。
ローと8Kを強烈にブーストし、200Hz〜400Hzのローミッドをカットするのは、LAロックシーンの重鎮Chris-Load-AlgeがよくやっているEQテクニック。ロックなキックサウンドには必須!
エキスパンダーも使い、トランジェントを柔らかくしています。

9.Waves R-Desser
時と場合によりますが、先のSSLで強烈なブーストをしているためハイがうるさければ、ディエッサーなどで抑えてやると聞き取りやすくアタックのある音を作れます。
やりすぎはNGですが。

こんな感じです。