
SIGMAは、解像力とナチュラルさ。

LEICAは、肉眼に匹敵する階調表現と、ボケから来る立体感。

性格の異なる美しさを見ていきたい。
@福井県勝山市 平泉寺白山神社
この空気が好きだ。
御朱印やおみくじ、案内板といった要素は最低限。鳥居から三之宮まで、1000m近い奥行きのある境内には静謐な気配が漂う。「平泉寺」の名がつくが、ここは神社である。
717年。泰澄が白山登頂をした際、池より九頭竜王(十一面観音の垂迹)が現れ、自らを伊弉冉尊の化身、妙理大菩薩、白山明神と名乗った。白山神社の名の通り、この地は白山信仰の拠点の1つ
(https://japanmystery.com/fukui/heisenji.htmlより一部抜粋)



SIGMA 18-35mmは、ASP-Cセンサー用というカテゴリにおいて史上最強のレンズだ。28-50mmという焦点領域ではあるが、最短撮影距離が非常に短いことにより、広角からほぼマクロの域までカバーできる。
影の多いこの場所でも、開放f1.8でISOの上昇を抑えられる。EOS Kiss X6iはいまや10年選手であるが、ベースISO+RAW撮影であれば現代のカメラと遜色なく、AF性能も必要十分だ。
(ただしライブビュー撮影時に限っては、AFが致命的に迷い続けるので注意)

ここは、苔が有名だ。
境内のあらゆるところに苔が生え、木々が頭上に広がる。もちろん、社も堂も木製。
しかし、奥地に建つ苔むした神社という言葉がイメージさせる暗い雰囲気はない。例えるならばLive imageのような、青々しい緑に満ちた世界。




LEICAは、ただただ美しい。
LEICA Mは中央重点測光に設定して、露出補正-1を入れた。絞りは2〜2.8近辺かと思う。開放f1.4のSUMMILUXは、この種の薄暗い環境には最適な明るさだ。
RAWを現像する際には、画像ファイルを開くたびに驚かされた。

この地には何かがある。
霊感などというものは自覚したことがない。しかし、平泉寺を訪れるたびに気配を感じるのだ。悪意もなく、好意もない、ただそこに在るだけの何か。歓迎もせず、拒みもしていない。言うならば超然とした気配。
感受性の強い友人が訪れた際には、道中の記憶が欠落したり、立ち止まったまま進めなくなったりしたという。
そこに在るのは木々か、苔か、はたまた白山の神か。