
こちらの記事の続き、実際のセッティング例を掲載しておきます。
写真はUAD-2のものを使ってますが、Virtual Mix Rack等他メーカー製のプラグインであっても、だいたい同じような傾向でとらえられるはずです。
目次
アナログの名機をシミュレートする
1176スタイル
アタックは0~4程度まで、リリースは0~11程度までを目安に、レシオ4:1、4:1、6:1、20:1でそれぞれ1176風のサウンドを実現できます。
LA-2A、LA-3A、LA-4等光学式コンプスタイル
アタックは4以上。Dist 2モードではLA-2A等真空管コンプのテイストが加わります。
DETECTORにHPを入れると扱いやすくなります。リリースは実際に聞いて、違和感のない範囲で早めに。
Fairchildスタイル
アタックは意外と早いです。リリースは2~7程度の範囲で臨機応変に。共に4からスタートするととりあえず扱いやすいサウンドになります。
楽器ごとのセッティング例
キック・スネア・タム/パーカッション
レシオは3:1から6:1程度。
アタックは3より高く設定し、トランジェントを通してやり、なおかつダイナミクスがそろうようにリリースを調整していきます。楽器のアタックが強すぎる場合は、アタックを0~4にまで早めると制御可能になりますが、そのぶんトランジェントは遠のきます。
タムなどで低域が邪魔をする場合には、DETECTORのHP機能を試すと吉。
ベース
4:1か6:1程度のレシオ。10:1の「Opto」カーブもGood。
アタック5、リリース4。本機のノーマルな設定です。
もとがバッキバキのサウンドの場合は、DETECTORにバンドエンファシスを使うと聞きやすくなります。
ギター
ギターソロを目前に張り付かせるなら、Optoモードが吉。
SM57等が持つ、5kHzあたりのエッジ感を抑えるなら、ややアタックを早め、リリースをやや伸ばしてもいいでしょう。
アコースティックギター
レシオ6:1、アタック2、リリース5でアタックをしっかりとらえつつ、サスティーンを確保。
ぼわぼわしたローの空気感が邪魔をするなら、DETECTORかAUDIOのHPを。
ボーカル
レシオは6:1以下、アタック5、リリース4に設定し、-6dBから-12dB程度のリダクションがされるようにインプットとアウトプットを調整すると、テープコンプレッションのようなダイナミックかつ自然なサウンドが得られます。
トラッキングの段階で使うのならば、DETECTORとAUDIOの両方でHPを使う選択肢もあり。
歌い手さんによって、DETECTORはバンドエンファシスのほうがいい場合もありますが。
真空管コンプを意識するならば、Dist 2モードでエッジを丸く、温かくできます。その場合、10:1の「Opto」モードを使うとさらにLA-2A等に寄せたサウンドにできます。