UAD-2 Empirical Labs EL8 Distressor 詳細レビュー

@mafuyu0318です。

今回は私の愛するUAD-2プラグインのなかから、

Empirical Labs EL8 Distressorをご紹介。

そもそもどんなコンプ?

1993年発売という、比較的近年のコンプレッサー。

EL8という機種名よりも、「Distressor」という風に呼ばれることが多いです。

EL8のほかに、1176のレシオ複数押しモードの再現である「British Mode」を追加した

「EL8X」という後継機種も存在。

17万円程度で購入可能、比較的手の届きやすい価格(ん?)ではある

本機自体の音というよりは、設定次第で、

あらゆるコンプのサウンドになるというのが本機の特徴。


偶数時と奇数時の倍音付加と、アタック/リリース/レシオの設定次第で、

LA-2Aっぽくもなり、1176っぽくもなり、Fairchildっぽくもなる。

 

 

また、現在ではプラグイン等でよく見られますが、検出回路に低域をフィルターさせることで、

コンプが過剰にリダクションすることを抑える

「サイドチェインフィルター」やステレオリンク機能、クリーンからドライブまで

あらゆるサウンドを提供する「多機能コンプ」として一躍話題となり、

録音/トラッキング時のモニター用コンプとしては

1176をはじめとする古くからの名機に匹敵する使用実績を誇っています。

Bon Jovi – (You Want To) Make A Memory

Bon jovi-You Want To Make A Memory
Neumann m49-RFT Lorenz真空管プリアンプ-EL8というシグナルチェーンで録音された

 

Slate Virtual-MIXRackにもモデリングが存在

RATIOセクション

RATIOコントロールは、実際には圧縮比率だけでなくそのKneeも関連して制御します。

1:1  コンプレッションはされず、サチュレーションのみを使う場合に使用。

2:1と3:1  穏やかなKneeで、クリーンに、知覚させない程度にコンプレッションしたい場合

4:1と6:1  中程度のコンプレッション。通常、この程度のRATIOがスタートポイントとなる

10:1  光学コンプのリダクションをシミュレートするカーブ。リリースタイムにも影響

20:1とNUKE  ハードなリミッティングとスプラッシュなサウンド。ドラムのルーム等に。

 

DETECTORセクション

DETECTORセクションにある3つのLEDで示される、

低域や高中域への反応を制御するセクション。

これにより、検出の仕方や圧縮後のサウンドに影響が出ます。

特徴的なのはステレオリンクモードで、実機では普通にステレオリンクとして機能しますが、

リンクがオンのままサイドチェインI/Oに何も接続されていない場合でも、

スレッショルドに影響があり、ハーモニックディストーションが増加します。

UADプラグインではこの状態も再現されています。

 

1.ノーマル/DETECTORセクション全消灯  ノーマルの検出動作

2.ハイパスのみ/HP点灯  100Hzに6dB/octのハイパスフィルター。低周波数帯を低減し検出

3.バンドエンファシス/波っぽいLED点灯  6kHzをブースト、高中域の痛さを抑える

4.ハイパス&エンファシス/HPと波両点灯  ハイパスとエンファシスが共に有効に

5.ステレオリンク/Link点灯  ステレオリンク、ハーモニックディストーションが増加する

6.ハイパス&リンク/HPとLink点灯  ハイパスフィルターとリンク機能が共に有効になる

7.エンファシス&リンク/波LEDとLink点灯  エンファシスとリンク機能が共に有効になる

8.HP&エンファシス&リンク/DETECTOR全点灯  全モードが有効になる  

AUDIO

聴感上の周波数バランスとサチュレーションを制御します

本機の肝となる部分の一つです(どれも肝ですけどね)

1.Normal  特別な処理なし

2.Hipass  80Hzに18dB/octの鋭いハイパスフィルターを適用

3.Dist2  真空管的なサウンド要素を持つ、偶数時倍音を強調する回路をアクティブにする

4.Hipass&Dist2  ハイパスとDist2モードを共にアクティブにする

5.Dist3  テープ的なサウンド要素を持つ、奇数時倍音を強調する回路をアクティブにする

6.Hipass&Dist3  ハイパスとDist3モードを共にアクティブにする

 

メーター

上部の「GAIN REDUCTION」はその文字通りリダクションしている量を示します。

その下、「RATIO」の上にあるのはハーモニックディストーションの付与量を示し、

「1% THD」は原音の1%を超える増幅が起こっていることを示し、

「REDLINE」は原音の3%を超える増幅が起こっていることを示します。

コントロールノブ

実機のノブは非常に回しやすく、ここの評判も大変にいいです(笑)

実際の楽器ごとの設定例を別記事で解説しています

インプット  インプットのゲインとスレッショルド/つまりリダクション量を同時に変更する

アタック  圧縮の発生時間を可変 50マイクロ秒から30ミリ秒

リリース  圧縮の終了時間を可変0.05秒から3.5秒ただしRATIO「10:1」を除く

アウトプット  アウトプットの出力音量 インプットを上げたならこれでバランスをとる

 

インプット左の「HR(ヘッドルーム)」ノブはプラグインオリジナル機能で、

インプットとは関係なしに増幅と圧縮の特性を可変できるようになっています。

右に回すほど「カラーが付きやすく」なります。

アウトプット右の「MIX」はこちらもプラグインオリジナル、

パラレルコンプレッション用にドライ信号を混ぜる機能です。

各楽器を例にとり、実際のセッティング例を画像で解説しています
中の人について
198

Guitarist/Mix Engineer and Musician!
もとはギタリスト、高校時代に金欠をこじらせてセルフレコーディングに手を出したのが運の尽き、そのまま海外スタジオで修業し現在20歳。

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コメント

  1. すんごく分かりやすくて見やすかったです。
    ありがとうございます。

    • ありがとうございます~
      実際のセッティング例も投稿してみましたので、参考になれば幸いでございます。